●4種類あるセンサーサイズ、それぞれの特徴は?
中・上級のデジタル一眼レフを購入する場合で、一番注意すべきポイントはCCDやCMOSといった撮像素子の「サイズ」。なぜなら撮像素子の大きさで、写真の写りや使い勝手が違ってくるからだ。では、撮像素子にはどんなサイズがあるのだろうか。まずはその種類と特徴について詳しく説明していこう。
中・上級デジタル一眼レフの撮像素子のサイズは「35ミリフルサイズ」「APS-C」「APS-H」「フォーサーズ」の4種類がある。それぞれの大きさはカメラメーカーごとに微妙に異なるが、「35ミリフルサイズ」が36×24mm。「APS-H」は28.1×18.7mm、「APS-C」は23.4×16.7mm、「フォーサーズ」は17.3×13mmが一般的なサイズだ。
4種類のなかで、撮像素子のサイズが一番大きいのが35ミリフルサイズ。センサーの大きさが35ミリ銀塩フィルムの1コマ分と同じで、受光面積が最も大きいのが特徴だ。
一方、「APS-H」「APS-C」は銀塩フィルム時代に登場した写真システム「アドバンスドフォトシステム(APS)」をベースにした撮像素子のサイズだ。APSは、35ミリフィルムと同じ3:2の画面比率の「Cサイズ」、16:9のハイビジョンと同じ画面比率の「Hサイズ」、35ミリフィルムのパノラマと同じ「Pサイズ」のサイズで撮影できるシステム。デジタル一眼レフの「APS-C」「APS-H」は、APSの「Cサイズ」「Hサイズ」相当の面積を持ったセンサーとして開発された。
「フォーサーズ」は4/3型センサーを採用したデジタル一眼レフの独自フォーマットとして開発された。オリンパスと松下電器産業、米イーストマン・コダックが提唱。名称はセンサーのサイズが由来している。撮像素子のサイズは35ミリフィルムの半分程度の面積しかなく、「APS-C」よりもさらに小さい。
●「受光感度」「レンズの焦点距離」に違いあり
では、4つの撮像素子のサイズではどんな違いがあるのだろうか。最も異なるのは「受光感度」と「レンズの焦点距離」だ。
撮像素子は、1画素=1個の受光素子(光を電気信号に変える半導体)の集合体。素子の面積が大きければ、それだけ多くの光を取り込んで高画質な画像を記録できる。
例えば、画素数が1200万のデジタル一眼レフでも撮像素子が35ミリフルサイズとAPS-Cでは、35ミリフルサイズが面積が広く、受光素子も大きくなる。また、少ない光量でも確実に受光できるので、高感度撮影にも強くなる。
撮像素子のサイズが最も大きく影響するのは、レンズの焦点距離と写真との関係。焦点距離とは「18-55mm」「70-200mm」「50mm」などとレンズに表記されている数字のことで、レンズの中の主点と呼ばれる位置から撮像素子やフィルムまでの距離をいう。数字が小さいほど広い範囲が写り、大きいほど遠くのものを引き寄せて撮れる。多くの交換レンズを駆使して35ミリフィルムの一眼レフカメラを使っていた人なら、この数字を聞いただけで、どんな写真が撮れるかが分かるだろう。
しかし、例えば「APS-C」の場合は35ミリフィルムよりも撮像素子のサイズが小さいため、APS-Cのデジタル一眼レフに50ミリの交換レンズを装着すると、35ミリフィルムカメラで撮影するのと比べて狭い範囲しか記録されない。結果として画像がトリミングされた形になり、35ミリフィルムカメラ換算で約1.5倍の焦点距離のレンズで撮った場合と同様に被写体が大きく写る。つまりこの場合、35ミリフィルムカメラで75ミリレンズを使って撮影したものと同程度の写真が撮れるというわけだ。
フォーサーズシステムでは、撮像素子がさらに小さくなる。逆に被写体はもっと大きく写り、表記の2倍相当のレンズを使って35ミリフィルムカメラで撮影した場合と同様の効果が得られる。
●35ミリフルはプロ用で高額、その他のサイズは選択肢が多い
「画質」「レンズの焦点距離」で言えば、35ミリフルサイズのデジタル一眼レフが使い勝手が良い。しかし、35ミリフルサイズのセンサーは、プロ用のフラッグシップ機に採用するメーカーが多く、手軽に手が出せない高価な機種がほとんどだ。
また、35ミリフルサイズは、レンズの周辺まで使って光を集め撮影している。それに対応するためには周辺部までしっかり結像して、にじみや色ズレ、光量落ちがない優秀なレンズが必要だ。一般にそうしたレンズは大きく重いうえ、値段も高い。そのほかのサイズのデジタル一眼レフは、メーカーが幅広い機種を発売しており、性能や価格で選択できる幅が多い。また、専用の交換レンズはコンパクトに設計できるので、小型・軽量なタイプが多く、持ち運びにも便利だ。
さらに、カメラに交換レンズを接続する「マウント」と呼ばれる取り付け部は、メーカーによって異なる。キヤノンは「キヤノンEFマウント」、ニコンは「ニコンFマウント」、ソニーは「αマウント」、ペンタックスは「KAF2マウント」(デジタル一眼レフカメラ「K100D」より前の機種は「KAFマウント」)、オリンパス、松下は「フォーサーズマウント」を採用している。
交換レンズは自分が所有しているカメラのマウントと違うものは使うことができないので注意が必要だ。基本的には持っているカメラメーカーの交換レンズを購入すれば安心だ。
これから中・上級機を買おうと考えている人は、こうした点を踏まえながら、予算と交換レンズを揃えていくことを念頭に、どのタイプを使いたいかをよく検討しよう。センサーの違いがわかったところで、中・上級のデジタル一眼レフにはどんな機種があるのか、メーカー別に紹介していこう。
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