なぜAntecのPCケースは日本でもトップシェア? 開発エンジニアに聴く
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2008/6/11
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日本のPCケース市場で、ダントツの地位を占めるのがAntec。平均的な製品よりも価格が高く設定されているものの、台数・金額ともにトップシェアを独走し続けているメーカーだ。その人気の理由を、米Antec本社で商品開発のエンジニアを務めるハン・リュー氏に聴いた。
Antec製のPCケースが日本市場で高く評価されているのは、その高いクオリティーだ。同社はValue(バリュー)、Innovation(イノベーション)、Performance(パフォーマンス)の3つのポリシーで製品を開発している。これを「VIP」ポリシーと呼び、ハイクオリティーな製品を生み出す源になっている。商品開発エンジニアのハン・リュー氏は「バリューとは、お客様が支払った対価に十分見合う価値。イノベーションは、エンジニアの視点からの設計ではなく、お客様の視点からの設計を意味します。これがユーザーから支持される大きな理由だと思います。3番目のパフォーマンスには優先順位があり、静音性を第一に考えます。続けて、エアフロー、ユーザビリティー、デザインを重視しているのです」と、それぞれのポリシーが意味するところを教えてくれた。
「VIP」ポリシーは、「PCケースの内側から考えて」設計するということでもある。まず内部の構造を先に検討することで、他の機能もきちんと実現できると考えているのだ。PCケースは、その外観から設計するのが普通だが、Antecではあくまでも内部構造から考える思考方法に固執しているという。そのため、「時には、一番重要な静音性のために他の機能を犠牲にすることもある」という。
高い静音性やデザイン性が人気だが、技術的には他社と比べて大きく異なる点はない。「細部への強いこだわりがあるという点が、他社との違いだと思います。たとえばケースを設計する際に、角張ってとがっているところがないか、などにも気を配っています」と胸を張る。
Antec製品に触れてみるとわかるが、モノとしての出来がよく、製造コストがかさむことは容易に想像できる。実際、製造ラインや金型へ莫大な初期投資が必要で、それぞれのモデル専用に用意されているという。「同じ金型を別のモデルに使いまわしたりすることはありません」と断言するのは、さすが「VIP」クオリティーといったところだ。
現在AntecのPCケースは、33か国で販売されている。日本だけでなく、北米やヨーロッパ、オーストラリアではトップシェアを占める重鎮だ。中でも、高品質でパフォーマンスの高い製品が好まれるアメリカと日本では人気が高い。「アメリカと日本のお客様は、価値がある製品には、多くのお金を出す傾向があります。さらに、日本のお客様は、細部まで洗練されたこだわりを持っています」と分析する。
日本では、SOLOシリーズで採用された、2層の遮音パネルや振動を抑えるシリコンベースなど、細かい機能が喜んでもらえたという。また、カラーバリエーションにも好みがあるようだ。「日本市場ではブラックやシルバー、ホワイトなどのバリエーションが求められますが、アメリカではブラックが飛び抜けて人気です」。
今、世界中で「エコ」がキーワードになっているが、当然グローバルメーカーのAntecも、環境問題に積極的に取り組んでいる。特定有害物質の制限に関するRoHS指令に準拠し、再生紙によるパッケージや環境にやさしい梱包材を採用。省電力化プログラムの「80PLUS」に対応している電源ユニットを搭載し、近いうちに1ランク上の「80PLUS BRONZE」対応の製品も発売する予定だ。さらに、「弊社のPCケースはエアフローが効率的で、使用するファンの数を抑えられ、省電力性にも優れています」、ということだ。
もちろん、ファンの数が少なくなれば、ノイズも抑えられる。日本のようにスペースが限られている環境では、PCからのノイズは大きな問題だ。その点でもAntec製品は大きなメリットがあると言える。
ここで日本での販売状況を見てみよう。「BCNランキング」で08年5月時点でのPCケース販売台数シェアでランキングを集計した。もちろんダントツなのはAntec。26.3%とトップを独走している。一方、興味深いのが平均単価だ。PCケース全体では税抜き単価は1万558円。しかしAntec製品は1万4344円と4割も高く、トップ10メーカーの中では最も高額だ。それで販売台数シェアでトップということは、それだけ高い品質が認められているということの証でもある。これは、35.7%とぶっちぎりでの1位の販売金額シェアにも表れている。
機種別で販売台数シェアのランキングを見ると、1位から5位までをすべてAntec製品が占める独壇場。新製品の「Three Hundred」や「Nine Hundred」もランクインしているが、トップが2年前に発売されてロングランを続ける「SOLO W/O PSU」というのも、実力の高さを伺わせる。
PCケースは、一度買ったらしばらくは交換しないもの。場合によっては、マザーボードやCPUなどのパーツを交換して使い続けることも多い。長い目で見れば高いクオリティーの製品のほうがお得、ということを市場はわかっているのだ。「VIP」ポリシーを旗印に、積極的な投資を進め、ワールドワイドで展開するAntec。今後も躍進は止まりそうにない。(アバンギャルド・柳谷智宣)
「VIP」ポリシーで高いクオリティーのケースを提供する
Antec製のPCケースが日本市場で高く評価されているのは、その高いクオリティーだ。同社はValue(バリュー)、Innovation(イノベーション)、Performance(パフォーマンス)の3つのポリシーで製品を開発している。これを「VIP」ポリシーと呼び、ハイクオリティーな製品を生み出す源になっている。商品開発エンジニアのハン・リュー氏は「バリューとは、お客様が支払った対価に十分見合う価値。イノベーションは、エンジニアの視点からの設計ではなく、お客様の視点からの設計を意味します。これがユーザーから支持される大きな理由だと思います。3番目のパフォーマンスには優先順位があり、静音性を第一に考えます。続けて、エアフロー、ユーザビリティー、デザインを重視しているのです」と、それぞれのポリシーが意味するところを教えてくれた。「VIP」ポリシーは、「PCケースの内側から考えて」設計するということでもある。まず内部の構造を先に検討することで、他の機能もきちんと実現できると考えているのだ。PCケースは、その外観から設計するのが普通だが、Antecではあくまでも内部構造から考える思考方法に固執しているという。そのため、「時には、一番重要な静音性のために他の機能を犠牲にすることもある」という。
高い静音性やデザイン性が人気だが、技術的には他社と比べて大きく異なる点はない。「細部への強いこだわりがあるという点が、他社との違いだと思います。たとえばケースを設計する際に、角張ってとがっているところがないか、などにも気を配っています」と胸を張る。

Antec製品に触れてみるとわかるが、モノとしての出来がよく、製造コストがかさむことは容易に想像できる。実際、製造ラインや金型へ莫大な初期投資が必要で、それぞれのモデル専用に用意されているという。「同じ金型を別のモデルに使いまわしたりすることはありません」と断言するのは、さすが「VIP」クオリティーといったところだ。
環境にも配慮し、北米やヨーロッパでもトップシェアを持つ
現在AntecのPCケースは、33か国で販売されている。日本だけでなく、北米やヨーロッパ、オーストラリアではトップシェアを占める重鎮だ。中でも、高品質でパフォーマンスの高い製品が好まれるアメリカと日本では人気が高い。「アメリカと日本のお客様は、価値がある製品には、多くのお金を出す傾向があります。さらに、日本のお客様は、細部まで洗練されたこだわりを持っています」と分析する。

日本では、SOLOシリーズで採用された、2層の遮音パネルや振動を抑えるシリコンベースなど、細かい機能が喜んでもらえたという。また、カラーバリエーションにも好みがあるようだ。「日本市場ではブラックやシルバー、ホワイトなどのバリエーションが求められますが、アメリカではブラックが飛び抜けて人気です」。
今、世界中で「エコ」がキーワードになっているが、当然グローバルメーカーのAntecも、環境問題に積極的に取り組んでいる。特定有害物質の制限に関するRoHS指令に準拠し、再生紙によるパッケージや環境にやさしい梱包材を採用。省電力化プログラムの「80PLUS」に対応している電源ユニットを搭載し、近いうちに1ランク上の「80PLUS BRONZE」対応の製品も発売する予定だ。さらに、「弊社のPCケースはエアフローが効率的で、使用するファンの数を抑えられ、省電力性にも優れています」、ということだ。
もちろん、ファンの数が少なくなれば、ノイズも抑えられる。日本のようにスペースが限られている環境では、PCからのノイズは大きな問題だ。その点でもAntec製品は大きなメリットがあると言える。
平均価格よりも4割高いのに、26.3%の販売数量シェアを誇る
ここで日本での販売状況を見てみよう。「BCNランキング」で08年5月時点でのPCケース販売台数シェアでランキングを集計した。もちろんダントツなのはAntec。26.3%とトップを独走している。一方、興味深いのが平均単価だ。PCケース全体では税抜き単価は1万558円。しかしAntec製品は1万4344円と4割も高く、トップ10メーカーの中では最も高額だ。それで販売台数シェアでトップということは、それだけ高い品質が認められているということの証でもある。これは、35.7%とぶっちぎりでの1位の販売金額シェアにも表れている。機種別で販売台数シェアのランキングを見ると、1位から5位までをすべてAntec製品が占める独壇場。新製品の「Three Hundred」や「Nine Hundred」もランクインしているが、トップが2年前に発売されてロングランを続ける「SOLO W/O PSU」というのも、実力の高さを伺わせる。
PCケースは、一度買ったらしばらくは交換しないもの。場合によっては、マザーボードやCPUなどのパーツを交換して使い続けることも多い。長い目で見れば高いクオリティーの製品のほうがお得、ということを市場はわかっているのだ。「VIP」ポリシーを旗印に、積極的な投資を進め、ワールドワイドで展開するAntec。今後も躍進は止まりそうにない。(アバンギャルド・柳谷智宣)












