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ピュアオーディオを追求したベンキュー「treVolo」のサウンドを聴いてみた

2015/12/18 18:00

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 ベンキューはディスプレイやプロジェクターなど、映像製品の銘機を生み出してきたメーカーだ。2014年の年間販売台数が最も多かったメーカーを表彰する「BCN AWARD 2015」の液晶ディスプレイ部門を受賞。多くのユーザーがベンキューの製品に信頼を寄せていることが証明された。このベンキューが初のオーディオ製品としてBluetoothスピーカー「treVolo」をAmazon限定で発売。映像のスペシャリストがオーディオ製品を開発した背景には、ハイクオリティな映像によるエンターテインメント体験には“いい音”が不可欠であり、ベンキュー自らが自信を持って高音質な製品をユーザーに届けたいという強い思いがある。

ベンキュー初のBluetoothスピーカー「treVolo」

コンデンサー型スピーカーを搭載したBluetoothスピーカー



 ベンキューの新製品「treVolo」には、他社のBluetoothスピーカーとはひと味違う特徴がある。それはハイエンドクラスのオーディオスピーカーが採用してきた、コンデンサー型スピーカーを搭載していることだ。

本体両側2枚のパネルにコンデンサー型スピーカーを搭載

 本体のスピーカー構成は中高域用に2基のコンデンサー型スピーカーユニットを備え、低域再生用として直径約53mmのダイナミック型ウーファーユニットを2基搭載する。低音をさらに強化するためデュアルパッシブラジエーターも積んでいる。

 コンデンサー型スピーカーの動作原理は、極薄振動膜の両側に固定電極と呼ばれる金属の板を配置、振動膜に高い電圧をかけてから固定電極への電圧を変化させることで、静電気の力で振動膜を動かして音を鳴らすというものだ。「treVolo」では振動膜に軽量な導電性ポリエステルフィルムを使うことで、オーディオ信号の入力に対して俊敏なレスポンスとナチュラルな音響特性を得ているという。

 コンデンサー型スピーカーは、一般的なドーム型スピーカーの振動板と違いフラットな形状の振動膜を均一に駆動させることができるので、音の歪みにつながる共振点が分散され、自然な滑らさと微細なニュアンスの再現に長けた音づくりができるという特徴もある。

 「treVolo」ではこのコンデンサー型スピーカーのユニットを薄型のパネルに配置して、本体に折りたたんで収納できるデザインとした。音楽を聴くときにはこのパネルの両面を開いて前後に音を放射。自然と包み込まれるような音の広がり感をつくり出す。

パネルを閉じたところ。非常にコンパクトな設計だ

ウーファーユニットで豊かな低音を再現



 中高域再生については数々のメリットがある一方で、コンデンサー型スピーカーは振動膜の振幅が大きく取れないことから、低音の力強さが十分に出せないという原理的な弱点があるともいわれている。

 「treVolo」ではこれを補うため、高磁力ネオジムマグネットを採用する直径約53mmの小口径ウーファーユニットを2基、本体に搭載した2ウェイ構成のシステムを採用した。ウーファーユニットの口径を小さくすることで、まとまりのある引き締まった低音が再現できる。ウーファーユニットの振幅動作による共振の発生を抑えるため、エンクロージャーも剛性を高めた。さらにエンクロージャーの両側に大型のパッシブラジエーターを配置して、低音の再生帯域を60Hz以下にまで伸ばしている。

パネルを開けた側面にパッシブラジエーターを装備

 ベンキューはワイヤレススピーカーのサウンドを革新するため、敢えて2年以上の歳月を費やして、高い技術力を必要とするコンデンサー型スピーカーの技術を極めて「treVolo」に搭載した。何故なら透明な中高域、自然なボーカルの再現性にこだわるならば、スピーカーの基本設計そのものに手を入れなければならないという結論に辿り着いたからだ。

 一般的なダイナミック型スピーカーにトゥイーターを加えることで、システム全体としての高域特性を改善するというアプローチを採ることもできたが、そのためには高価なスピーカーユニットやアンプを使わなければならないので、製品の販売価格が跳ね上がり、エンクロージャーの大型化によりポータビリティが損なわれるというトレードオフが発生してしまう。

 ベンキューはワイヤレススピーカーとしてのポータビリティを重視して、本体のコンパクト化を優先。最終製品の価格を4万円以下に抑えることも目標として、ふたつの条件をクリアするためにも、独自に研究を重ねてきたコンデンサー型スピーカーを搭載する方向で開発を進めてきたのだ。

サウンドモードやインターフェイスも充実



 本体には中高域用に2基、ウーファー用に2基のデジタルアンプを搭載。カスタム設計のDSPに内蔵するデジタルクロスオーバーネットワーク回路により制御するマルチチャンネル駆動方式とした。DSPにはオリジナル設計のイコライザー機能も搭載。DSPによる処理を最小限に抑えた「PURE」のほか、中低域のエネルギー感を加えた「WARM」、中高域のシャープネスを高めた「VIVID」と3種類のサウンドモードを備え、ソースに最適な音色を切り替えながらリスニングが楽しめる。

 Bluetooth再生は一般的なSBCのほかにも、高音質オーディオコーデックであるaptXとAACをサポート。外部入力として設けられたmicro USBにノートPCなどをつないで高品位なデジタル再生が楽しめるほか、様々なオーディオ機器との接続を可能にする3.5mmのステレオミニ入力も搭載する。低ビットレートの圧縮音源を再生する際には独自の「BenQ TrueSound Technology」により欠落した音域を補完する機能も設けた。

背面にmicroUSBなど入出力端子を備える

 ほかにも「treVolo」の用途を広げる機能として、背面パネルにはアナログライン出力を装備。外部オーディオ機器などをつなげば、スマホに保存した音楽を「treVolo」経由で外部オーディオ機器に送り出して楽しむこともできる。ハンズフリー通話にも対応しているので、音楽を聴いている時にペアリングしているスマホに着信があっても、スピーカー天面の着信応答ボタンをプッシュすれば音楽再生が一時停止、内蔵するノイズキャンセリング・マイクでクリアな通話が行える。

操作ボタンは天面に配置。背面にもペアリング用のボタンを設ける

長時間バッテリーと薄型スピーカーで持ち運びも楽々



 厚みがわずか数ミリというコンデンサー型スピーカーを搭載するパネルは折り畳んで本体にしまえるデザインなので、スピーカーをスーツケースなどに入れて旅行のお伴として持ち運ぶこともできる。内蔵バッテリーは約12時間の連続使用に対応するので、家の中だけでなくアウトドアにも活用シーンを広げられる。

 本体のセッティングはとても簡単。コンデンサー型スピーカーを内蔵する両サイドのパネルを開いて部屋に設置。電源ボタンを押して、そのままボタンを2秒間長押しし続けるとビープ音が鳴ってBluetoothのペアリングモードに切り替わる。続いてスマホのBluetooth設定から機器一覧に並ぶ「BenQ treVolo」をタップして選択すればワイヤレス接続は完了だ。

 なおAndroid/iOS対応のリモコンアプリ「BenQ Audio」からは、サウンドモードの切替、内蔵バッテリーの残量チェックに操作マニュアルの確認などが行える。本体ボタンによる操作と合わせて便利に活用したい。

専用アプリ「BenQ Audio」の画面イメージ

コンパクトボディながらスケールの大きなサウンドを実現



 それでは「treVolo」のサウンドを聴いてみよう。はじめに音源に忠実な「PURE」を選択してから、マイケル・ジャクソンの『Billie Jean』を試聴した。中高域の解像感が高く、ディティールがきめ細かく再現される。抜けのよいボーカルの声がセンターにキリっと定位して、あたかもアーティストがそこに立って歌っているようなリアリティが感じられた。ドラムスはシンバルの細かな余韻がふわっと広がり、階調表現が非常に細やかだ。エレキギターのカッティングが小気味良いリズムを刻む。コンデンサー型スピーカーならではの切れ味のよさと透明感、スムーズな中高域のつながりの良さを実感できた。

スマホにつないでワイヤレス音楽再生の実力をチェックした

 EDM(Electronic Dance Music)系の楽曲で低域再生のパフォーマンスをチェックした。パフュームの『Baby Cruising Love』は、サウンドモードを「PURE」に設定した状態で聴くと、非常にシャープで生き生きとしたボーカルが楽しめた。S/Nが良く、一つひとつの音の粒立ちも鮮明。

 本体天面の「MODEボタン」を押して、中低域を重視した音づくりとした「WARM」にサウンドモードを切り替える。電源ボタンまわりのLED表示の色が変化して、モードが切り替わったことを知らせてくれる。「WARM」に設定すると低域の稜線がさらに力強さを増して、ダンスミュージックらしい躍動感がぐんと引き立ってきた。打ち込みによるリズムもよりタイトに引き締まってスピード感が高まる。このコンパクトなサイズから想像もできないほどスケールの大きな音楽を鳴らせるスピーカーだ。特に奥行き感の表現はどこまでも懐が深い。

 モードを「PURE」に戻してクラシックのオーケストラを確認した。弦楽器のハーモニーには厚みがあって、倍音成分が豊かに広がる。オーケストラを構成する楽器が一つひとつクリアに見えてくるほど音の分解能が高く、音色も濃いめで味わい深い。コントラバスの力強い音色は安定感が高く、高域の伸びやかさにも限界がない。まるでわが家にいながらコンサートホールで音楽を聴いているような臨場感だ。プライベートルームはもちろん、リビングで聴いても力強く厚みのあるサウンドが部屋を埋め尽くしてくれた。

 最後にメリハリのあるシャープな音づくりを特徴とする「VIVID」の実力もチェックした。サウンドモードが本体のボタン以外にアプリからもすばやく切り替えられるので、とても便利だ。「VIVID」は特にボーカルやメロディラインにフォーカスしたJ-POPやロック、R&B、ソウル系のボーカル曲などと相性がよかった。例えば、エアロスミスの『Dude』など、80年代後半から90年代のエネルギッシュで煌びやかなアメリカンロックのサウンドにはおあつらえ向きと言えそうだ。豪華でディティールに富んだ楽曲アレンジの豊富な情報量を余すところなく引き出す。ライブ会場の熱気までも再現してしまった。

 コンデンサー型スピーカーならではの自然で歪みのない中高域と、2基の低域再生用ウーファーユニットによる低域との音のつながりもよく、一体感のあるサウンドが楽しめた。コンパクトで置き場所をとらないし、初めてのワイヤレススピーカーとしても導入しやすいし、ハンドリングの手軽さも文句なしだ。既に他社のワイヤレススピーカーを使っているという方も、この上質で個性的なキャラクターを持つ「treVolo」のサウンドに、一度じっくりと耳を傾けてみる必要があると思う。ワイヤレススピーカーによる「ホンモノの音楽体験」を追求する全ての方に新しい発見をもたらしてくれるだろう。
(オーディオ・ビジュアルライター 山本 敦)

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