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2011年は「スマートフォン」本格普及の年、2012年は?

2012/01/05 20:48

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 2011年は、間違いなくスマートフォンの年だった。PC・デジタル家電、特に「デジタルガジェット」とも呼ばれるモバイル機器の愛好者にとって、これほどエキサイティングで話題にこと欠かない1年はなかっただろう。スマートフォン、タブレット端末、電子書籍リーダー、ミラーレス一眼などの定番から、固定電話そっくりのPHS「イエデンワ」など、奇抜な製品も登場した。


2011年に発売された数々のデジタルガジェット。上段はアップルのiPad 2とiPhone 4S、下段はSony Tablet Sシリーズ、PHSのWX02A<イエデンワ>、PENTAX Q

2011年を振り返る~スマートフォンを中心に~



 設置スペースを取るテレビや冷蔵庫は、一般的には壊れるまで使い続ける耐久消費財。しかし、スマートフォンに代表される「ガジェット」は、本体が小さく、設置・収納場所を取らないがゆえに、気になる端末が発売になるたびに気軽に購入し、すでに何台も所有している人もいることだろう。ある意味では、こうしたガジェットマニアが今の人気の一端を支えているともいえる。

■2011年のPC・デジタル家電市場の主な動き
1月 Mac App Storeスタート、新Mac OS「Lion」はダウンロード販売に
  NECとレノボ、パソコン事業で合弁会社設立を正式発表(1/27)
2月 インテルのCore iシリーズ第二世代版のチップセットの不具合発覚
3月 東日本大震災発生、一部企業の工場が被災(3/11)
  福島第一原子力発電所の事故を受け、「節電」やラジオ・電池などの「災害・防災グッズ」に注目が集まる
  家電エコポイント終了(3/31)
4月 iPad 2、iPhone 4ホワイトモデル発売(4/28)
  Sony Tablet発表、9月にSシリーズのWi-Fiモデル、10月にPシリーズ、Sシリーズの3G対応モデルが発売
5月 ビックカメラ、2012年夏、新宿三越アルコット店跡に新店舗オープンを発表、都心での家電量販店間の競争激化へ
6月 GALAXY S II SC-02C発売(6/24)、月間販売台数に占めるスマートフォンの割合が初めて5割を突破
7月 Xperia acro SO-02C発売(7/9)
  東北3県を除き、地上アナログ放送が終了、完全地デジ化(7/24)。ただし、一部のCATV局では2015年3月末までデジアナ変換サービスを提供する
8月 節電ムードがピークに。サマータイムや輪番操業を実施する企業も
9月 年末商戦向けの新製品の発表が相次ぐ。インクジェットプリンタやプロジェクターは「iPhone連携」を大きく打ち出す
10月 スティーブ・ジョブズ氏死去(10/5)
  ソフトバンクモバイルとKDDIの2社からiPhone 4S発売、ソフトバンクモバイルの独占販売体制が終わる(10/14)
  iPhone 4S発売効果で、月間販売台数に占めるスマートフォンの割合が70.0%を記録
  タイの大規模洪水が発生、日系企業を含む多くの工場が被災、HDDなどが供給不足になる
11月 11月下旬から2012年1月にかけて、NTTドコモ、auを中心にAndroid搭載スマートフォンが多数発売、LTEやWiMAX対応モデルのラインアップが大幅に増える
12月 AQUOS PHONE SH-01D発売(12/2)
  PlayStation Vita、ARROWS Z ISW11F、ARROWS X LTE F-05D発売(12/17)

 しかし2011年のスマートフォンに関しては、こうしたマニア層から女性を含む一般層へ確実に広がった。毎月、当サイトで掲載している月間携帯電話ランキングでも、今やトップ10はスマートフォンがほぼ独占。デザインや搭載アプリ、カラーなどを工夫し、「女性向け」と銘打ったモデルもある程度売れている。転換点は、2010年の冬だった。そこでの売れ行きに手応えを感じたのか、2011年の夏モデルから、各キャリアとも完全にスマートフォン中心の端末ラインアップに切り替え、売り場も明らかにスマートフォン中心になり、従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、いわゆるガラケー)からスマートフォンへのシフトが確定的になった。

女性向けスマートフォンの例(ドコモの「ARROWS Kiss F-03D」)

 携帯電話全体の月間販売台数に占めるスマートフォンの割合は、2011年6月に初めて5割を超え、10月には過去最高の70.0%を記録した。さらに、発売以来売れ続けるアップルの「iPhone 4S」に、11月下旬以降、毎週のように発売になるNTTドコモ、auのAndroid搭載スマートフォンの新製品が加わり、12月は10月の値をさらに上回る77.0%に達した。新規に携帯電話を購入する人のうち、約8割がスマートフォンを選び、従来型の携帯電話を選ぶ人は完全に少数派になってしまった。ここまでの高い水準は、複数メーカーが開発・製造するAndroid、iOSを搭載したアップルの「iPhone」どちらかだけでは達成できなかった。OSの違いは、マニア以外はあまり興味のない話なのだ。今はキャリアとブランドで選ぶ傾向が強い印象をもつ。


 iPhoneは、いわゆる2011年にヒットしたワンセグ、おサイフケータイなどの日本向け機能を搭載した「日本仕様のスマートフォン」とは異なるという見方もある。しかし、広い意味では、電話もできる多機能端末「スマートフォン」そのものだ。使いこなしのレベルは人それぞれ。なかには、タッチパネル操作やスマートフォン特有の作法になじめずに、従来型の携帯電話から買い替えて逆に不便になったと不満を感じている人もいるという話を聞くが、いつでもどこでもインターネットに接続し、ニュースサイトやブログ、ソーシャルメディアなどを通じて情報を得たり、反対に自ら情報をリアルタイムに発信したりできるスマートフォンが普及した2011年は、本格的なモバイルインターネット時代が始まった元年といえるだろう。また同時に、モバイルインターネットを前提としたこうした端末の普及とともに、人によっては、テレビよりインターネットがより身近で信頼できる媒体として、メディアとの関わり方、認識のもちようも変わっていくだろう。

スマートフォンがあれば、ブラウザや専用アプリを利用して、いつでもどこでもインターネットにつなぎ、PCと同じように情報収集できる(画面は、Twitterアカウント@bcnranking_jpのツイート一覧画面)

 ここまで市場が拡大したスマートフォンとその周辺機器は、しばらくは、デジタル家電の中心であり続けるに違いない。例えば汚れや傷、衝撃などから本体を保護する実用性と楽しさを兼ね備えたスマートフォン用ケースは、家電量販店だけではなく、今では女性やファミリー向けの雑貨店などにも置かれるようになり、この冬は、手にはめたままでもタッチパネル操作ができる「スマートフォン用手袋」にも注目が集まっている。Bluetoothキーボード無線LAN、スピーカーなどのPCなどでも使える周辺機器、液晶保護フィルム、ケースなど、スマートフォン専用のアクセサリ、そして、スマートフォン用アプリ、PCでもスマートフォンでも利用できるアプリ・ネットサービスなど、スマートフォンに関連する分野は広く、部材メーカーを含めると恩恵を受けた業界は数知れないと推測される。

スマートフォン本体に加え、ケースなど関連アクセサリの売り場も拡大している
(写真は、「GALAXY S II LTE SC-03D」発売日のビックカメラ有楽町店)

 しかし、スマートフォンの「次」は、なかなか見えてこない。次のヒット商品として期待されたタブレット端末は、スマートフォンの大画面版なのか、ノートPCの置き換えなのか、中途半端な立ち位置のままでいる。2011年はそれほど大きな動きはなく、各キャリアが今まで以上に力を入れると意気込んでいる2012年が、市民権を得るかどうかの分岐点になりそうな気配だ。それ以外の注目を集めそうなアイテムは今の時点では考えにくい。2012年は、「スペックアップ」以外であっと驚くような新たなアイテムやサービスの登場を期待したい。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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