水風船に針を刺して破裂させる「ハイスピードムービー(スローモーション)」の映像を見たことがあるだろうか? 中から出てきた水が、風船の形を保っている瞬間を捉えた映像だ。カシオ計算機のデジタルカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FH20」なら、1秒間に最大1000コマ撮影できる。毎秒30コマの通常のビデオカメラでは捉えることが難しい瞬間を写すことが可能だ。今回は「EX-FH20」を使って、誰にでも簡単に面白い動画や写真が撮れるのか試してみた。
●光学ズームが20倍とパワーアップ、手のひらサイズにプロの機能を搭載
「EX-FH20」は、1秒間に最大1000コマ(1000fps)の「ハイスピードムービー」や、1秒間に40枚の高速連写機能を搭載する、ハイスペックなデジタルカメラだ。最大1200fpsの「ハイスピードムービー」、1秒間に60枚の高速連写機能を搭載して話題になった「EXILIM PRO EX-F1」の姉妹機として発売された。
「ハイスピードムービー」と高速連写機能では、「EX-F1」に多少劣るものの、光学ズームは20倍を実現。12倍だった「EX-F1」と比べてかなりパワーアップしている。また、手のひらに乗るコンパクトサイズなので、持ち歩くのには最適だろう。さらに、価格も手頃になっている。BCNが10月21日に集計した「EX-F1」の市場推定価格は10万2600円、「EX-FH20」は7万1500円だ。これまで「ハイスピードムービー」が撮れるカメラは、高価なプロ用しか存在しなかった。カシオの「EX-F」シリーズは、初のアマチュア用モデルといえるだろう。
「EX-FH20」の撮影モードは、「フラッシュ連写」「高速連写」「1枚撮影」「ハイスピードムービー」「HD/STD動画」の5種類。切り替えは、本体右上のダイヤルを回して行う。また、「ハイスピードムービー」の撮影速度は、30-210fps、210fps、420fps、1000fpsの4段階から選択できる。ただし、1秒間に撮るコマ数が増えるほど、画面サイズは小さくなり、さらに光が入る量も減るため、画像が暗くなってしまう。1000fpsでキレイな動画を撮るには、晴れた日の屋外でないと難しいだろう。今回は、「ハイスピードムービー」「高速連写」「光学20倍ズーム」を使って、実際に面白い動画や写真を撮ってみることにした。
●水しぶきの動きまで捉える「ハイスピードムービー」
まず訪れたのは、都内の遊園地だ。この日はあいにく曇り空だったため、420fpsで撮影することにした。最初に目をつけたのは、やはりジェットコースターだ。さっそく落ちる瞬間を撮影してみると――なんだか芋虫のよう。ジェットコースターの迫力は速いからこそということを忘れていた。これは失敗。今度来た時は、落ちている瞬間の友人の顔のアップなどを撮影してみたい。その方が、髪の毛の上がり具合や表情など、きっと面白い動画が撮れるに違いない。
気を取り直して、お次はウォータースライダーを撮影する。すると、面白い動画が撮れた。スローモーションで見ると、レールの上から下へ水が流れ落ちる様子がよくわかる。そしてゆっくりと乗り物が下りてくるのだが、飛び散る水しぶきの動きまではっきりと捉えている。撮った動画に見入っていると、徐々に雨雲が厚くなってきた。カメラを濡らしては大変なので、この日の撮影はここで終了することにした。
翌週の晴れた午後、また撮影に出かけた。撮影スポットに選んだのは、家族連れでにぎわっている休日の動物園だ。久しぶりなので、なんだかワクワクしてしまう。遊園地の撮影で水関連は面白いということを感じたので、最初に泳ぐペンギンを撮影してみた。園内に木陰が多いのと、時間が15時を回っていたこともあって、この日は210fpsで撮影。すると、プールの水がとろみがかって見え、まるでペンギンがゼリーの中を泳いでいるようだ。さらに表情までよくわかるので、すっかり癒されてしまった。しかし迫力に欠ける。やはり動きが速かったり、飛び散るものでないと迫力のある動画は撮れないのだろうか。ということで、同じく水を求めてアシカブースへと移動した。
アシカブースに近づくと、観客から「わー」とか「すごい」などの歓声が上がっている。子アシカでも無邪気に泳いでいるのだろうかと思い、中に入ってみると、巨大な2匹のアシカがバトルを繰り広げている。これはシャッターチャンス! さっそく「ハイスピードムービー」で撮影してみる。あまり光が入らなかったため少々暗くなってしまったが、アシカが相手に噛み付く瞬間や追いかけ合いながら飛び上がる瞬間などを捉えることができた。
●光学20倍ズームで、遠くの動物の表情までくっきり
迫力の映像が撮れて満足した後は、光学20倍ズームを試すため、またもペンギン達の元へ向かった。すると、遠くのものをズームを使って撮影したいという筆者の気持ちを察したのか、先ほどは手前のプールで泳いでいたペンギン達が、観客側からほど遠い陸地に全員上がってくれている。なんという気づかい。ここぞとばかりに光学20倍ズームを試してみた。35mmフィルムカメラ換算の最小焦点距離、広角側26mmで撮影すると、ペンギンのシルエットがやっと確認できる程度。しかし最大焦点距離、望遠側520mmで撮影すると、ペンギンの可愛らしい表情まで写すことができた。
●1秒間に40枚の高速連写で、フラミンゴの羽ばたきを観察
ペンギンの撮影が終わる頃には、閉園の時間が迫っていた。しかしまだ見ていない動物達がいる。すると、毛づくろいをしたり、羽をバタつかせている色鮮やかなフラミンゴ達が目に入った。あの鮮やかな羽ばたきをじっくり観察したい。そう思い、すぐにモードを「高速連写」に切り替え、フラミンゴが羽を広げた瞬間にシャッターを切った。
1秒間に40枚の高速連写モードで撮った写真のうち、20枚をつなげてみた。左右の動きがないのが残念だが、フラミンゴが羽を上下にバタつかせる一コマ一コマをじっくり観察することができる。
その後は、久しぶりの動物園を閉園ギリギリまで楽しんだ。撮影の日は一日中「EX-FH20」を首から下げていたが、肩が凝るようなことはなかった。また、撮影モードの切り替えがダイヤルを回すだけでスムーズに行えたので、操作面でも決定的瞬間を取り逃がすことが少ないと感じた。
今回の撮影は全て、モードを選択してシャッターボタンを押しただけだ。誰にでも行える簡単な操作で、普段見慣れているものが少し違って見えたり、通常、人の目では見ることができない瞬間を捉えることができる。「EX-FH20」をちょっとした外出に持ち歩けば、なにげない場面が特別な瞬間へと変わりそうだ。(BCN・武井美野里)
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●光学ズームが20倍とパワーアップ、手のひらサイズにプロの機能を搭載

HIGH SPEED EXILIM EX-FH20
「EX-FH20」は、1秒間に最大1000コマ(1000fps)の「ハイスピードムービー」や、1秒間に40枚の高速連写機能を搭載する、ハイスペックなデジタルカメラだ。最大1200fpsの「ハイスピードムービー」、1秒間に60枚の高速連写機能を搭載して話題になった「EXILIM PRO EX-F1」の姉妹機として発売された。
「ハイスピードムービー」と高速連写機能では、「EX-F1」に多少劣るものの、光学ズームは20倍を実現。12倍だった「EX-F1」と比べてかなりパワーアップしている。また、手のひらに乗るコンパクトサイズなので、持ち歩くのには最適だろう。さらに、価格も手頃になっている。BCNが10月21日に集計した「EX-F1」の市場推定価格は10万2600円、「EX-FH20」は7万1500円だ。これまで「ハイスピードムービー」が撮れるカメラは、高価なプロ用しか存在しなかった。カシオの「EX-F」シリーズは、初のアマチュア用モデルといえるだろう。「EX-FH20」の撮影モードは、「フラッシュ連写」「高速連写」「1枚撮影」「ハイスピードムービー」「HD/STD動画」の5種類。切り替えは、本体右上のダイヤルを回して行う。また、「ハイスピードムービー」の撮影速度は、30-210fps、210fps、420fps、1000fpsの4段階から選択できる。ただし、1秒間に撮るコマ数が増えるほど、画面サイズは小さくなり、さらに光が入る量も減るため、画像が暗くなってしまう。1000fpsでキレイな動画を撮るには、晴れた日の屋外でないと難しいだろう。今回は、「ハイスピードムービー」「高速連写」「光学20倍ズーム」を使って、実際に面白い動画や写真を撮ってみることにした。
●水しぶきの動きまで捉える「ハイスピードムービー」
気を取り直して、お次はウォータースライダーを撮影する。すると、面白い動画が撮れた。スローモーションで見ると、レールの上から下へ水が流れ落ちる様子がよくわかる。そしてゆっくりと乗り物が下りてくるのだが、飛び散る水しぶきの動きまではっきりと捉えている。撮った動画に見入っていると、徐々に雨雲が厚くなってきた。カメラを濡らしては大変なので、この日の撮影はここで終了することにした。
翌週の晴れた午後、また撮影に出かけた。撮影スポットに選んだのは、家族連れでにぎわっている休日の動物園だ。久しぶりなので、なんだかワクワクしてしまう。遊園地の撮影で水関連は面白いということを感じたので、最初に泳ぐペンギンを撮影してみた。園内に木陰が多いのと、時間が15時を回っていたこともあって、この日は210fpsで撮影。すると、プールの水がとろみがかって見え、まるでペンギンがゼリーの中を泳いでいるようだ。さらに表情までよくわかるので、すっかり癒されてしまった。しかし迫力に欠ける。やはり動きが速かったり、飛び散るものでないと迫力のある動画は撮れないのだろうか。ということで、同じく水を求めてアシカブースへと移動した。
アシカブースに近づくと、観客から「わー」とか「すごい」などの歓声が上がっている。子アシカでも無邪気に泳いでいるのだろうかと思い、中に入ってみると、巨大な2匹のアシカがバトルを繰り広げている。これはシャッターチャンス! さっそく「ハイスピードムービー」で撮影してみる。あまり光が入らなかったため少々暗くなってしまったが、アシカが相手に噛み付く瞬間や追いかけ合いながら飛び上がる瞬間などを捉えることができた。
●光学20倍ズームで、遠くの動物の表情までくっきり
迫力の映像が撮れて満足した後は、光学20倍ズームを試すため、またもペンギン達の元へ向かった。すると、遠くのものをズームを使って撮影したいという筆者の気持ちを察したのか、先ほどは手前のプールで泳いでいたペンギン達が、観客側からほど遠い陸地に全員上がってくれている。なんという気づかい。ここぞとばかりに光学20倍ズームを試してみた。35mmフィルムカメラ換算の最小焦点距離、広角側26mmで撮影すると、ペンギンのシルエットがやっと確認できる程度。しかし最大焦点距離、望遠側520mmで撮影すると、ペンギンの可愛らしい表情まで写すことができた。

左=望遠側520mmで撮影 右=広角側26mmで撮影
●1秒間に40枚の高速連写で、フラミンゴの羽ばたきを観察
ペンギンの撮影が終わる頃には、閉園の時間が迫っていた。しかしまだ見ていない動物達がいる。すると、毛づくろいをしたり、羽をバタつかせている色鮮やかなフラミンゴ達が目に入った。あの鮮やかな羽ばたきをじっくり観察したい。そう思い、すぐにモードを「高速連写」に切り替え、フラミンゴが羽を広げた瞬間にシャッターを切った。
1秒間に40枚の高速連写モードで撮った写真のうち、20枚をつなげてみた。左右の動きがないのが残念だが、フラミンゴが羽を上下にバタつかせる一コマ一コマをじっくり観察することができる。
その後は、久しぶりの動物園を閉園ギリギリまで楽しんだ。撮影の日は一日中「EX-FH20」を首から下げていたが、肩が凝るようなことはなかった。また、撮影モードの切り替えがダイヤルを回すだけでスムーズに行えたので、操作面でも決定的瞬間を取り逃がすことが少ないと感じた。
今回の撮影は全て、モードを選択してシャッターボタンを押しただけだ。誰にでも行える簡単な操作で、普段見慣れているものが少し違って見えたり、通常、人の目では見ることができない瞬間を捉えることができる。「EX-FH20」をちょっとした外出に持ち歩けば、なにげない場面が特別な瞬間へと変わりそうだ。(BCN・武井美野里)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。
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