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デジタル一眼戦国時代へ、「α」が崩したキヤノン・ニコンの2強体制

2006/08/23 00:37

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 デジタル一眼レフカメラ市場がにぎやかになってきた。「BCNランキング」では、ソニー初のレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラ「α100」が好調。これまで市場を支配していたキヤノンとニコンに割って入った。さらに、手ブレ防止機能付きの新モデルを投入したペンタックスも好スタート。2強時代から群雄割拠の戦国時代に一気に突入しそうな雲行きになってきた。

 デジタル一眼レフカメラ市場がにぎやかになってきた。「BCNランキング」では、ソニー初のレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラ「α100」が好調。これまで市場を支配していたキヤノンとニコンに割って入った。さらに、手ブレ防止機能付きの新モデルを投入したペンタックスも好スタート。2強時代から群雄割拠の戦国時代に一気に突入しそうな雲行きになってきた。


●意外にも女性からの支持が高い「α100」、その要因は「値ごろ感」

 ソニーがコニカミノルタから引き継いだ「α」マウント。その「α」カメラ1号機が「α100」として発売された。有効1020万画素CCDを採用。手ブレを防ぐCDDシフト方式の手ブレ補正機能を本体に内蔵する。また、カメラの電源を切るたび、CCDユニットが動いてチリやホコリをふるい落とす「アンチダスト機能」も特徴だ。大手量販店では、ボディのみの実売は9万9800円ほどで10万円を切る価格。レンズとのセットは約11万円で、入門機の位置づけだ。


 予約注文分を含め、発売直後は人気が集中して大きなピークを形成した。デジタル一眼レフの「BCNランキング」で、カラーバリエーションを合算した集計では、7月の販売台数シェアは19.4%。7月も残り10日ほどの7月21日発売ながら、いきなり2ケタ台を記録し2位につけた。ライバル機種と目されるニコンの「D70s」を抜き去り、キヤノンの「EOS KissデジタルN」に迫る勢いを見せている。


 「α100」について、都内の大手量販店店員は「『高画素』『手ブレ補正機能』『軽い』『ファインダーも見やすい』など、カメラとして良くできている。これだけの機能で価格的にも値ごろだと感じる人が多く、今一番売れている」と話す。購入者は意外にも「男性よりも特に女性の初心者が多い」(同)という。

●直撃されたのは「EOS KissデジタルN」、しかし回復の兆しも

 発売日の7月21日前後を中心に週次の販売台数シェアの推移を見ると、激しい動きがより明確にわかる。「α100」は発売週の7月17日の週から3週連続でデジタル一眼の機種別でトップを飾った。6月6日に発表された当初から、話題性が高かったこともあり、目新しいものを好むユーザー層を中心に6月末から予約注文が入り、発売日の前週には35.4%までシェアを伸ばした。その後、「初動層」の購入も一巡し、8月の第2週以降は20%を切っている。しかし「依然店頭での人気は高い」(都内大手量販店店員)という。


 その勢いで直撃されたのがキヤノンの「EOS KissデジタルN」。この期間、対照的に大きくシェアを落としている。6月には30%以上のシェアを保持していたが、「α100」人気で7月には大幅にシェアを落とした。しかし、8月に入って「α100」の購入が一段落したことで、再び販売戦台数を回復してきた。


 一方、ニコンは伸び悩みが続いており、直近の8月14日の週ではベスト5に1機種もランクインできなかった。一眼レフの老舗といえども安泰ではなくなってきたようだ。もっとも、こうした落ち込みにも理由がある。9月1日に発売される「D80」の存在だ。

●ターゲットはやはり「初心者層」、店頭でのキーワードは「手ブレ補正」

 「D80」は、おもに中級者をターゲットにした機種で実売価格は12万円前後だが、有効1020万画素のCCDを備え、オートフォーカス機能を向上させるなど「高画素で初心者でも使いやすいため、『D70s』を買おうと店頭に来た人が予約することが多い」(都内大手量販店店員)という。こうした「D80」待ちの現象が起きているようだ。


 「D80」の影響で「D70s」価格はかなり下がってきた。06年2月は8万円後半だったボディのみの平均価格も、7月には6万円前後にまで来ている。しかし、ある都内の大手量販店では「価格は下がっても、D70sはもう古い機種、というイメージを持つ人が多く、安くなっても以前ほどは売れない」(同)という、デジタル製品特有の現象が起こっているようだ。

 もう1つ注目されるのは、PENTAXの「PENTAX K100D」。量販店での実売価格は本体のみが7万5000円程度、レンズセットは約9万円。7月下旬に発売されたばかりの機種だが、7月のデータでは販売台数シェア9.4%で5位を獲得。週次データでも10%ほどのシェアを安定して獲得している。


 「PENTAX K100D」はCCDが有効610万画素。カメラ内部のCCDを動かして手ブレを防ぐ補正機構「SR(シェイクリダクション)」を搭載。「手ブレ補正機能を持つコンパクトデジタルカメラのユーザーでデジタル一眼に乗り換える人から人気が高い」(同)ことから、ダークホース的な存在として、今後シェアの伸びも期待できる。

●崩れたキヤノン、ニコンの2強体制、デジタル一眼も本格的競争の時代へ

 最後にメーカー別の販売台数シェアも見ておこう。デジタル一眼レフカメラ市場では、これまでキヤノン、ニコンの2強がシェアの8割近くを握ってきた。しかし、「α100」の登場などで、その構図はもはや崩れたといってよさそうだ。


 ソニーはデジタル一眼参入直後の7月に21.6%と「α100」でいきなり第3位のシェアを獲得。一方、キヤノンは4月の54%を頂点に6月まで常に50%以上のシェアを獲得してきたが7月には33%と大きく落ち込んだ。ニコンも3月以降、30%台のシェアを保持してきたが、7月には27.4%と3割を切った。

 つまり、ソニーが2強の、特にキヤノンのシェアをかなり「食った」ことがわかる。また、PENTAXも「PENTAX K100D」で6月の7.6%から7月は14%と、ほぼ倍にシェアを拡大しており、キヤノン、ニコンはこちらにもシェアを奪われた格好だ。当初、ソニーや松下の参入でデジタル一眼レフカメラのユーザー層が広がり、市場そのものの拡大も期待されたが、こうした「食い合い」動きを見る限り、まだ「パイ拡大」効果は出ておらず、いっそうの競争の激化を生んでいるようだ。

 ニコンは9月発売の「D80」でカードを切ってきた。ここで気になるのはキヤノンの動きだ。夏休み真っ只中の8月第3週(8月14日-20)では、35mmフルサイズCMOSセンサーが特徴のキヤノン「EOS 5D」が機種別で突如2位に躍り出ている。デジタル一眼もコンパクトデジカメなみに週替わりでめまぐるしく順位が変動する情勢になってきたわけだ。

 しかし、発売されてしばらく時間が経過したカメラでこうした動きが起こるということは、新製品関連で何か動があることも予想される。いずれにしても早晩、キヤノンもカードを切ってくるだろう。そこで役者が揃う。今年の秋冬商戦では、デジタル一眼レフの戦いは熾烈を極めそうだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。

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